イベント event

AnimeJapan 2017 BLUEステージで行われたイベントの模様をお届け!


3月25日、AnimeJapan 2017 BLUEステージにて、TVアニメ『月がきれい』の放送直前スペシャルステージが開催された。
ステージ開演の時間を迎えたところで、場内に流れていた穏やかなピアノメインの劇伴がシームレスに作品PVへと繋がり、観客を自然と作品の世界に引き込む。その上映が終わると、キャスト4名(安曇小太郎役・千葉翔也、水野茜役・小原好美、比良拓海役・田丸篤志、西尾千夏役・村川梨衣)と、本作の監督を務める岸誠二氏、プロデューサー・南健氏が登壇。まずはその南氏が「『月がきれい』は、普通の中学生の恋愛を淡々と描くアニメ。
“キャラクターのドラマ”だけにスポットを当てたタイトルをやってみたい(南)」と、本作のイメージや制作に至った経緯が語られ、続けて岸監督から「(直前に手がけていた作品のような)『SF戦艦モノとか異能力モノしかできない』と思われるのもカチンと来るので、『やってやろうじゃないか!』という意地もあった」と登板にあたって心に秘めていた心境も明かしてくれた。
また、2年半前から動き始めていたという本作の制作初期には、「お互い中学時代の実体験とかを、毎週会議で会って話しては恥ずかしがる、という時期が1〜2年ほどあった(南)」との貴重な裏話も不意にポロリ。

 

そんな本作に登場する各キャラを、キャスト自身が紹介。千葉はまず小太郎をひと言で「文学少年」と表すが、それはアニメ的なステレオタイプなものではない、とも語る。「普通の中学生らしい面も当然併せ持っているので、自分の中学時代とすり合わせながら演じました」と、芝居のアプローチも含めて紹介していく。

この“普通の”というのは、ほか3人全員にも共通するもの。小原は「陸上部の元気な女の子。でも緊張しいなので、それをほぐすためのもふもふのマスコットを持って生活しています。彼女の感じる純粋な感情や表情の爽やかさは印象的なんです」と、

田丸は「陸上部部長でイケメン、だけどみんなの輪から一歩引いて見ている子。小太郎たちよりちょっとだけ大人かもしれません」と紹介する。

また、村川は「陸上部員で茜と親友の天真爛漫な女の子」と語るも、続けて「人のものを欲しがるクセがある」との気になる発言も。彼女が本編中でどのように立ち回っていくのかも、気になるところだ。

そんな本作、もちろんアフレコも進行中。演じてみての感覚を、千葉は「小さな感情までていねいに描いているので、演じる分にはやりやすかった」と、小原は「すごく濃いキャラクターではないので、マイク前でみんなすーっと役に入る感じ」と振り返った。

 


さて、ここでOP/EDテーマを担当しつつ、自らも教師・園田涼子役で声優として出演する東山奈央からのビデオメッセージを上映。
その涼子への印象を「ちょっと天然さんのような、いいとこ育ちの先生」と語りつつ、そのOP「イマココ」を「恋をして駆け出したくなるような疾走感のある曲」と、ED「月がきれい」を「夜空を見上げて、愛しい誰かを想うようなしっとりとしたバラード」とそれぞれ紹介してくれた。

 

イベント最後には、登壇者6人から放送を目前に控えてのメッセージが。
「皆さまの『わかるー!』『懐かしいー!』が詰まった作品になっているので、早く観ていただきたいです!」(村川)
「中学生時代を本当に繊細に描いているので、皆さんの心にスッと入ってくる作品になっています」(田丸)
「中学校の男子・女子のリアルを追求した、ナチュラルでドキドキしちゃう温かいお話です」(小原)
「僕は、日常の1コマこそドラマチックだと感じていて。派手な起承転結はありませんが、感情だけは世界を救う主人公みたいに大きく動いていたんだなと思い出させてくれるような作品です」(千葉)
「恋愛を通じて、人間として未熟だった中学生の時期の葛藤や無垢な中学生同士が楽しんでいる姿をていねいに描いていた、美しい話ができたと自負しています」(南)
「『月がきれい』は埼玉・川越を舞台にした“思春期の記録”。中学生時代の想いの一つひとつを実直にスケッチして作っていきました。作品を観て、ぜひ川越をふらっと歩いてもらえたら」(岸)
とそれぞれ語り、イベントは終了した。

 

観る側が自分の思春期と重ね合わせることで、十人十色の見え方で心にじんわり染み込んでいく作品になるであろう『月がきれい』。淡い色合いで心模様が描かれていくそのストーリーに、ぜひ期待してほしい。

(テキスト:須永兼次 写真:高田梓)